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【2022年版】放課後等デイサービスとは?支援内容や仕事を徹底解説!



障害者施設とは、障がいを持った方が自立した生活を送ることができるように、介護や支援、指導、訓練などの障害福祉サービスを提供する施設で、「障害者総合支援法」の目的である障がいがあったとしても尊厳ある生活を送ることができる社会を実現するために、様々なサービスが定められ、サービス提供・運営を行っています。


ここでは、障がいのある方に対して、入浴や排泄、食事などの介助や生活相談などの支援を行っている障害者施設にはどんな種類があり、どんな人が働いてるのかなどをまとめてみました。

 

放課後等デイサービスとは?


放課後等デイサービスとは、児童福祉法に基づく福祉サービスの一つで、小学校1年生から高校3年生(6歳から18歳 特例で20歳まで)の障がいを持った子どもや発達に課題のある子どもに対して、放課後や夏休みなどの長期休暇中に、学校教育と生活力向上の双方について子どもたちの自立を促進することを目的とした福祉サービス施設です。


障がいのある子どもたちの放課後の居場所を作ることで、仕事をされている家庭のサポートに寄与することから「障害児の学童」といわれることがあります。


学習能力や生活能力向上のための訓練等を継続的に行い、日常生活動作の指導、集団生活への適応訓練等を支援する療育の場であるとともに、放課後の居場所としてや、またレスパイトケア(家族に代わり一時的にケアを代替することで、家族の日々の疲れ等をリフレッシュしてもらう家庭支援サービス)としての役割も担っています。


放課後等デイサービスでは、学習能力・生活能力の向上のための様々なプログラムが行われています。


トランポリン、楽器の演奏、パソコン教室、造形など習い事に近い活動をしている施設もあれば、専門的な療育を行っている施設もあります。


親が就労している子どもたちだけを対象に預かる学童保育とは違い、放課後等デイサービスは、親の就労の有無に関係なく障がいのある子どもたちを預かり、個別支援計画に基づく療育や学習指導など、専門のスタッフによって、定員10名程の少人数の中で社会性を身につけることができるような障害児のためのプログラムを提供しています。


 

放課後等デイサービスの目的と役割


放課後等デイサービスが持つ役割について、厚生労働省は以下の3つと定義しています。


①子どもの最善の利益の保障


児童福祉法第6条に基づき、障がいのある就学児に対して、日常生活に必要な自立につながる訓練や社会との交流、その他学校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて個々の子どもの状況に応じた支援を行うことにより、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を図っています。


②共生社会の実現に向けた後方支援


子どもの地域社会への参加・包容(インクルージョン)を進めるため、他の子どもも含めた集団の中での育ちをできるだけ保障する視点が求められます。放課後等デイサービス事業所では、放課後児童クラブや児童館などの一般的な子育て支援施策を、専門的な知識・経験に基づきバックアップする「後方支援」としての位置づけも踏まえつつ、必要に応じて連携を図りながら、適切な事業運営を行うことが求められています。


③保護者支援


障がいのある子どもだけでなく、その保護者にも社会的に支援する側面もあります。

より具体的には下記が挙げられます。


・子育ての悩み等に関する相談を行うこと

・家庭内での養育についてペアレント・トレーニング等活用しながら子どもの育ちを支える力をつけられるよう支援すること

・保護者の時間を保障するために、ケアを一時的に代行する支援を行うこと


これらの支援によって、保護者が子どもに向き合うゆとりと自信を回復することも、子どもの発達に好ましい影響を及ぼすものと期待されています。


 

放課後等デイサービスの支援・仕事内容


放課後等デイサービスの対象は、心身の変化の大きい小学校や特別支援学校の小学部から高等学校等までの子どもであるため、この時期の子どもの発達過程や特性、適応行動の状況を理解したうえで、コミュニケーション面で特に配慮が必要な課題等も理解し、一人ひとりの状態に即した放課後等デイサービス計画(個別支援計画)に沿って支援が行われます。



●自立した日常生活を営むために必要な訓練


子どもの発達に応じて必要となる基本的日常生活動作(着替えや掃除等)や学習に必要な能力の養成(ひらがなの書き方や、計算等)、ソーシャルスキルトレーニングや集団で行うトレーニングによるコミュニケーションスキルの向上といった、自立生活を支援するための活動をします。子どもが意欲的に関われるようなプログラムを通じて、成功体験の積み増しを促し、自己肯定感を育めるように関わっていきます。

方針や役割分担等を共有できるように、学校や関係機関との連携を図りながら支援を進めていきます。



●創作活動、作業活動


粘土による造形や書道、絵を描く等の創作活動を通じて、表現する喜びを体験できるようにし、できるだけ自然に触れ、季節の変化に興味が持てるよう豊かな感性を培うように支援します。



●地域交流の機会の提供


障がいがあるがゆえに子どもの社会生活や経験の範囲が制限されず、社会経験や生活経験が豊かになるよう、経験の幅が広がるような支援、地域交流の機会の提供をしていきます。



●余暇の提供


障がいのある子どもたちの放課後や長期休暇の居場所として、子どもがゆったりとした雰囲気の中で活動が行えるように工夫し、様々なプログラムの中から自分で活動内容を選択して取り組む経験を積み重ねることができるよう支援します。


 

レスパイトケアとしての放課後等デイサービス


レスパイトとは、英語で「休息・息抜き」といった意味の言葉で、レスパイトケアとは、乳幼児や障害者、障害児、高齢者の介護や世話を一時的に代行し、家族が休んだり、リフレッシュする機会を作ることを言います。

介護や世話をする家族にも休息やリフレッシュは当然必要です。

その時間を利用して普段できないことをしたり、自分のために時間を使うことで、まっすぐ、素直に子どもや要介護者と向き合えたり、前向きに物事が捉えられるようになることがレスパイトケアの意義です。

保護者の同伴が不要な放課後等デイサービスも少なくありません。

そのため保護者は、子どもを放課後等デイサービスの施設に通わせている間に、他の兄弟をかまってあげたり、仕事や家事などをするなど自分の時間を別のことにつかうことができます。


 

放課後等デイサービスで働く職種は?


定員10人の放課後等デイサービスであれば、子どもたちに直接支援を行う「保育士」、「児童指導員」が一人以上、子どもたちの個別支援計画を立てたり、スタッフのまとめ役の「児童発達支援管理責任者」が一人、その他に設備や人材管理等を行う「管理者」が一人いるのが基本的なスタッフ構成です。

サービス内容に応じて、「機能訓練指導士」(作業療法士・理学療法士・言語聴覚士等)、「看護師」を配置している放課後等デイサービスもあります。



①管理者


管理者の主な仕事内容は、「職員のシフト作成・配置決定」・「学校・行政への連絡対応」・「運営状況の確認」等があります。現場の運営状況を把握し、少しでも施設を円滑に運営するために重要な役割を果たします。児童発達支援管理責任者と兼務することも可能です。



②児童発達支援管理責任者


児童発達支援管理責任者の主な仕事内容は、「個別支援計画・活動プログラムの作成」「保護者の相談対応」・「職員指導」等があります。放課後等デイサービスのサービス提供、現場運営において、特に重要な役割を果たします。



③保育士・児童指導員


保育士・児童指導員のおもな仕事内容は、児童への直接的な「療育支援」・「生活指導」等があります。

放課後等デイサービスに通う子どもたちに対して、療育・生活指導を実施し、子どもたちの成長を促すサポートをします。



④機能訓練指導士


機能訓練指導士の主な仕事内容は、「機能訓練指導(リハビリテーション)」・「日常生活動作の確認」・「個別機能訓練計画の作成」等になります。働くには、作業療法士・理学療法士・言語聴覚士・看護師等の資格・経験が必須で、放課後等デイサービスを行う施設が機能訓練指導を導入している場合に配置されます。




「保育士」・「言語聴覚士・理学療法士・言語聴覚士」・「看護師」は国家資格、「児童指導員」は任用資格、「児童発達支援管理責任者」は実務経験要件と研修の受講要件があり、就職するには多少のハードルはありますが、やりがいのあるお仕事で、現在、放課後等デイサービスの施設も増えてきていますので、興味がある方は求人を見てみるのもいいと思います。


 

放課後等デイサービスの一日の流れ



放課後等デイサービスの一日の流れの例を紹介します。


①平日


学年や学校により、下校時間が異なるため、14時から16時の間に施設に子どもたちが到着します。学校から施設、施設から学校への送迎を行っている施設もあります。

施設に到着後、児童発達支援管理責任者が作成した個別支援計画をもとに、保育士・児童指導員のスタッフによって療育活動が行われます。



②休日


施設によってサービス提供時間が異なりますが、朝から夕方まで活動している施設が多いようです。

休日も送迎を行っている施設もあります。

時間が長いということもあり、工場見学や動物園等に外出したりする施設もあります。


 

まとめ


放課後等デイサービスは、障害児向けの学童保育というだけでなく、障がいのある就学児童への経験や居場所の提供、学習や生活のサポート、子どもたちだけでなく保護者へのサポートと、様々な目的のある施設です。

放課後等デイサービスに通う子どもたちは、コミュニケーションがうまくできなかったり、勉強や運動が苦手など、それぞれの悩みを抱えています。

そのような障がいのある就学児童たち一人一人にスタッフが寄り添い、機能訓練、生活指導、学習指導、アクティビティを通じて、子どもたちへ様々な支援を行うことで、子どもたちの成長を促します。

放課後等デイサービスのスタッフは、そんな子どもたちが放課後等デイサービスのサービスを通じて様々なことを経験し、成長していく姿を目の前で見ることのできる、やりがいのある仕事です。

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